糸が出てる・とれた
埋没法施術後の失敗例の中から、「糸が出ている」「糸が取れた」ケースについてまとめました。糸が出たり、取れたりする原因や、トラブル発生時にどう対処すべきかを紹介します。
どうして埋没法後の糸が出たり取れたりするの?

埋没法の糸が取れたり、まぶたから出てきたりする原因には、主に次のようなものが考えられます。
- 施術そのものの寿命が来たため
- まぶたが腫れたため
- まぶたを擦った・引っ張ったため
- 元々のまぶたの厚みによるもの
まず、埋没法の効果は永続的なものではありません。二重のラインが取れるまでの期間には個人差がありますが、一般的には術後3~5年程度で寿命を迎えるのが目安です。
また、外傷やアレルギーといった何らかの原因によりまぶたが腫れると、糸が引っ張られて取れやすくなります。目にかゆみを生じた時や、メイク・洗顔時にまぶたを擦る行為もまた同様に、糸が外れて二重のラインが取れる原因となり得ます。
もともとのまぶたの厚みも、埋没法の効果の持続期間を左右する要素のひとつ。まぶたに脂肪が多く、ふっくらとしたボリュームがある人は、そうでない人に比べて糸が早く外れやすい傾向にあるのです。
糸が取れやすい人・取れにくい人の違い
埋没法の糸が取れやすい人の特徴には、以下のようなものが挙げられます。
- まぶたの皮膚や脂肪が厚い
- 花粉症などでよく目を擦る
- コンタクトレンズを使用している
- 年齢が若い(成長期である)
- まぶたがむくみやすい
- 幅広の二重をつくった
- 糸を留める箇所が少なかった
もともとまぶたが厚い人は、比較的糸が取れやすい傾向にあります。また、何らかの原因で目をよく擦る人、コンタクトレンズを使用していてまぶたを引っ張る回数が多い人も、糸が外れやすいと言えるでしょう。体の変化が大きい成長期の人や、もともとまぶたがむくみやすい人も同様に、糸が外れる可能性は比較的高くなります。
これらの要素に加えて、埋没法でつくった二重の幅や糸の結び目の数も効果の持続に影響します。いわゆる「平行型」の幅広の二重をつくった人や、糸を留める箇所の少ない施術方法を選んだ人は、そうでない人に比べて糸が外れやすい傾向にあります。
糸が取れる前兆
埋没法の糸が外れる際には、次のような前兆が現れることがあります。
- 二重の幅が狭まってきた
- まぶたが重たく感じる
- 二重のラインが消えてしまうことがある
まぶたの中の糸が緩み始めると、上記のような現象が起こることがあります。このような症状が現れた際は、できるだけ早めに医師に相談するとよいでしょう。
糸が出てる・とれたケース紹介
次に、埋没法後に糸がまぶたの外に出てしまう、または糸が取れてしまうケースをより具体的に紹介します。
【1】まぶたの表から糸が出てる
何らかの原因により、まぶたの表(皮膚側)に糸が露出してしまうケースです。手術して間もないうちに起こることもあれば、施術後数カ月~数年経過した後で発生することもあります。
主な原因は?
埋没法の糸がまぶたの表から出てくる原因には、主に次のようなものが考えられます。
- 糸の結び方が甘かった
- 糸の埋め込み方が浅すぎた
- 糸の結び目が皮膚を噛んでいる
- 結び目の周囲に膿瘍(膿が溜まった空洞)ができた
糸の結び方が甘いと、まぶたの中で糸が緩み、二重ラインの消失(糸の取れ)や糸の露出を起こしやすくなります。また、糸の埋め込み方が浅すぎた場合や、結び目に表皮が引っ掛かっている場合も同様に、糸が露出する原因となり得ます。
また、糸の周辺に感染が起こり、膿瘍ができてしまった場合も、糸の取れや露出を起こすことが。溜まった膿によって皮膚がポコッと膨らみ、いわゆる「糸玉」を形成してしまうこともあります。
まぶたの表から糸が出たらどうすればいい?
まぶたの表側に糸が露出してしまった場合、抜糸を行う必要があります。そのまま放置しておくと、糸が出ている部分から感染を引き起こす恐れも。糸を触ったり、引っ張ったりすることは避け、できるだけ早めに医師の診察を受けましょう。
【2】糸がまぶたの裏から出てる
何らかの原因によって、糸がまぶたの裏(粘膜・眼球側)から露出してしまうケースです。
この場合、糸が眼球に触れることにより「目がゴロゴロ・チクチクする、異物感がある」「目が充血する」といった症状を起こすことがあります。埋没法の施術を受けた後にこうした現象がみられたら、糸の露出を疑ってみましょう。
主な原因は?
埋没法の糸がまぶたの裏側に露出する原因には、次のようなものが考えられます。
- 糸の結び・埋め込みが甘かった
- 糸の結び目が皮膚を噛んでいる
- 糸の周辺に膿瘍ができた
- 目を強く擦ってしまった
- 糸の品質が良くなかった
まぶたの裏に糸が露出する原因は、基本的にはまぶたの表側に糸が出る原因と同じものです。また、目を強くゴシゴシと擦った場合や、糸の品質が悪く強度が不足していた場合にも、糸が外れて露出することがあります。
まぶたの裏から糸が出たらどうすればいい?
まぶたの裏側に露出した糸をそのままにしておくと、まばたきをするたびに糸が眼球に擦れ、角膜を傷つけてしまう恐れがあります。「まぶたの裏に糸が出ているかも知れない」と感じたら、放っておかずに医師の診察を受けましょう。
なお、実際に糸が露出しているかどうか、糸の除去を行うべきかの診断は専門医以外には困難なため、自己判断は避けるのが賢明です。場合によっては、糸が完全に露出していなくても抜糸を行う必要があることも。
【3】埋没法の糸がゆるんできた・取れた・切れた
何らかの原因により、まぶたの中の糸が切れたり、結び目が緩んだりしてしまうケースです。
糸が緩んだり切れたりすると、二重のラインが消失したり、狭まったりすることがあります。また、場合によっては、糸が取れていないにも関わらず二重のラインが消えてしまうこともあるのです。
主な原因は?
埋没法の糸が緩む・切れる原因には、主に次のようなものが挙げられます。
- 糸の結びが甘かった
- 糸の強度が不足していた
- まぶたの組織が結び目から外れた
糸の強度不足や結び方の甘さは、糸の緩み・切れの原因となります。
また、術後まばたきを繰り返すうちに少しずつまぶたの組織が切れ、糸から外れてしまうことも。こうなると、糸が緩んだり切れたりしていなくても皮膚がしっかりと折りたたまれなくなり、二重のラインが消失してしまうことがあります。
糸に異変を感じたらどうすればいい?
緩みや切れが発生した結果、糸がまぶたの表または裏に露出してしまった場合は、糸を除去する必要があります。一方、糸が露出しておらず、単に二重のラインが消えてしまっただけのケースでは、むしろ無理に抜糸を行わないほうが良いこともあります。
放っておくと起こるリスク
糸がまぶたの中にきちんと収まっており、しこりや目の違和感などを生じていない場合は、そのまま様子を見ても問題ありません。しかし、糸が露出している場合には、放っておくと細菌による感染症を起こしたり、眼球を傷つけたりする恐れが。
とくに、まぶたの裏側に糸が露出してしまった場合は、飛び出た糸を自分で確認するのが難しいこともあります。糸を目視できなくても、目の腫れや違和感を生じた際はすみやかに医師の診察を受けましょう。自力で糸を取り除こうと引っ張ったり、ハサミで切ったりといった行為に及ぶのも厳禁です。
【応急処置】二重が片側だけとれたらメイクでカバー
埋没法の糸が片目だけ外れてしまった場合、左右の目の大きさが変わり、不自然な印象になってしまうことがあります。
より美しく仕上げるには、改めて埋没法あるいは切開法によって二重のラインをつくり直すのがベターですが、難しい場合はアイメイクによる工夫で左右差をカバーするという方法も。
左右差をカバーするメイク方法
左右差を目立たせたくない時は、二重のラインがある方の目からメイクに取り掛かります。はじめにアイホール全体にアイシャドウベースとハイライトを伸ばし、次に二重の幅に沿って中間色のアイシャドウを塗りましょう。アイラインはブラウン等の柔らかい色味のものを選び、まぶたのキワに細く入れるのがポイントです。まつげは上げすぎず、マスカラもさらりと控えめに塗りましょう。
次に、二重のラインがない方の目のメイクを行います。アイホールにアイシャドウベースとハイライトを伸ばしたら、反対の目の二重幅と同じ広さになるように中間色のアイシャドウを塗りましょう。少し横長に色を乗せるイメージで、広めになじませるのがコツです。
アイラインは黒などのはっきりとした色味のものを選び、まぶたのキワに細く入れましょう。目の横幅の左右差が気になる時は、目尻側をややオーバーライン気味に描いても良いですね。
最後にまつげをカールさせ、黒目の上を中心にマスカラをしっかり目に塗れば完成です。少し離れた位置から鏡を見て、顔全体のバランスを確認しながら行いましょう。
アイプチの使用はNG?
片方だけ二重のラインが消えてしまった場合は、手っ取り早くアイプチを使って対処したくなるもの。しかし、アイプチやアイテープを頻繁に使っていると、まぶたの皮膚が次第に薄く伸びてしまい、たるみの原因になることも。
また、まぶたの皮膚が伸びてしまった場合、再び埋没法によって二重のラインを整えるのも難しくなります。アイプチやアイテープによって二重をつくるのはあくまでも一時的な処置に留め、できるだけ早めにクリニックに相談するのがおすすめです。
実際に糸が取れた人の体験談
二重の埋没法をして、1年少し経ちました。写真のように目頭の方になにか糸玉のようなものが最近出てきました。
引用元:美容医療の口コミ広場(https://report.clinic/mabuta/feeluneasy/dr_qa/21133)
腫れている時は気づかなかったのですが、徐々に腫れが引いてきて鏡を近づけて見てみると、左目の傷痕部分から1㎜以下の黒か灰色っぽい糸が出てきていました。これは失敗なのでしょうか…
それとももう少し腫れが引けば気にならなくなる物なのでしょうか、、正直まだ瞬きをした時に痛みもあるので、再施術を考えるのが本当に怖いです…
感染のことを考えると、腫れが引くのを待たずにすぐ連絡するべきなのか、もう少し腫れが引くのを待つべきなのか分かりません…
引用元:美容医療の口コミ広場(https://report.clinic/mabuta/G_3000621/feeluneasy/dr_qa/21910)
糸が出てる・とれた場合のクリニックの選び方
埋没法の糸に何らかのトラブルが発生した場合は、施術を受けたクリニックに相談するのが基本です。クリニックによっては埋没法に対して保証を設けており、トラブルの際に無償で再施術を行っていることも。また、施術を受けたクリニックが遠方であるなど、何らかの理由で受診が難しい場合は、他院抜糸を行っているクリニックや一般的な眼科を受診する方法もあります。
なお、埋没法は体質やライフスタイルによって「合う・合わない」が分かれやすい施術です。トラブルのケア後に再び二重形成の施術を検討している場合は、丁寧にカウンセリングを行い、患者一人ひとりに合った施術内容を提案してくれるクリニックを選びましょう。
ビューティー編集部より
埋没法の糸が出てきた人へ
全身の中でも、目はとてもデリケートな部位です。違和感や異物感がある場合はもちろん、糸が出ているのを目視で確認できるとなれば、不安でいてもたっても居られないもの。できるだけすみやかにクリニックに相談し、現在の目の状況をチェックしてもらいましょう。
もし「明らかな違和感があるのに、取り合ってもらえない」「処置や再施術の仕上がりに不満・不安が残る」といった場合は、他院修正に対応している新たなクリニックを探すのも手です。患者側の気持ちをきちんと汲み取ってくれる誠意あるクリニックを受診して、不安な気持ちは解消してしまいましょう。